警備員指導教育責任者2号とは?取得方法や難易度などをまと…
交通誘導警備の仕事に興味を持っている方は、「車両誘導」について耳にしたことがあるのではないでしょうか?ただ、実際どのように車両を誘導するのか、合図に決まりはあるのかなど、具体的な方法についてはわからないという方も多いかもしれません。
この記事では、車両誘導とは何かを解説するとともに、車両誘導マニュアルとして使えるよう、使用するアイテムや基本の誘導方法、ケース別の誘導方法について解説します。
目次
「車両誘導」は、おもに道路工事現場や商業施設などの周辺で、車両の誘導を行なうことを指します。
車両誘導は負傷などの事故を未然に防ぐためのものであり、交通誘導警備業務に含まれる重要な仕事の一つです。未経験から車両誘導を含む交通誘導警備に従事する場合、原則として、基本教育と業務別教育を含む法定研修を受講する必要があります。
加えて、厚生労働省からも交通誘導および車両誘導時の注意点などが記載された「未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル」が発行されています。車両誘導を含む警備業務に携わる際は、法定研修と併せてチェックしておくと安心です。
続いて、交通誘導警備に従事する際や車両誘導時に使用する道具について紹介します。
警備員の装備品や基本的な服装については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
誘導灯は、交通誘導において欠かせない棒状の道具です。誘導灯のほか、「信号灯」や「合図灯」などと呼ばれる場合もあります。誘導内容に合わせて、右手・左手に適宜持ち替えながら使用します。
誘導灯は長さ50cmほどで、持ち手部分とライト部分に分かれており、赤色に点灯するのが特徴です。ただし、高速道路では青や黄色など、場所によって使用する色が異なるケースもあります。
白手袋は「白手」とも呼ばれ、作業用の軍手や工事現場などで使用する手袋とは異なり、表面がつるりとした素材感なのが特徴です。
白はどのような状況でも見やすい色とされ、誘導の合図をはっきり確認できるようにするために装着します。そのため、白手袋は常に清潔な状態での使用を求められる点も特徴の一つです。
警笛は、誘導灯や白手袋と同様に交通誘導業務において欠かせない道具といえます。車両誘導の際、目で見える合図だけでなく、音による合図を加えることでよりわかりやすい誘導を行なうことができます。
警笛は、おもに工事車両のバック誘導や作業員への危険の伝達、一般車両への緊急停止などに用いるのが特徴です。使用するのは車両誘導時に限られ、歩行者に対しては原則使用しない点に留意しましょう。
警笛を使う際は、危険な場面であることも少なくありません。使用頻度や使用方法などをしっかり把握しておくことが重要です。
手旗は、赤色と白色で構成された2つの旗です。原則、手旗は左手に赤色、右手に白色をそれぞれ持ちます。赤色の旗には停止、白色の旗には進行の意味があるため、取り違えて指示しないように注意しましょう。
ヘルメットは、別名で「安全帽」や「保護帽」と呼ばれる場合もあります。
警備会社や警備を担当する場所(工事現場など)によってはヘルメットの着用が必須となるため、重要な装備の一つです。落下物から頭を守ることはもちろん、直射日光を避けることにも役立ちます。
車両誘導時および交通誘導業務は屋外での実施が多いため、冬期は防寒具による防寒対策も重要です。
ただし、警備員が着用するのは事前に公安委員会から許可が出たものに限られます。そのため、自由に防寒着が着られるわけではありません。用意されている防寒着だけで対策しきれない場合は、肌着やカイロ、マスクなどで工夫することも大切です。
続いて、車両誘導時の基本姿勢と基本の誘導方法について解説します。
交通誘導時の方法や合図については、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも併せてチェックしてみてください。
交通誘導する際の旗の振り方は?基本的な動作や合図を確認しよう
まずは基本姿勢を取りましょう。制服などの身だしなみに問題がないか確認のうえ、両足のかかとを軽くつけた状態で背筋を伸ばして立ちます。体の向きは原則として前方向、左右確認の際は首のみを動かすようにするのがポイントです。
停止予告は、その名のとおり停止の合図を送る前に出す合図のことです。停止予告が多く用いられる状況は、車両のスピードが出やすい場所や夕方、夜間などの道路状況がわかりにくい場面などが挙げられます。
停止予告の指示は、誘導灯を頭上に掲げるようにして縦方向に持ち、車両の運転手に対して左右に振ります。この際、手首やひじは曲げないのがポイントです。手旗を用いる場合は、赤旗を持っている手を真上に上げ、約30cm幅で左右に振りましょう。
停止予告の合図を送ったら、続いて停止の合図に移ります。停止させたい車両の正面に立ち、頭上の誘導灯をそのまま横に倒しましょう。このとき、誘導灯を地面と水平にするのがポイントです。
手旗の場合は、停止予告の状態から赤旗を肩の位置まで下ろし、腕を地面に対して平行に保ちます。
運転手が車両誘導員を見ていない場合、事故が起こる恐れがあります。運転手の目線がこちらに向いているか確認したうえで実施しましょう。
進行の合図では、周囲の安全を確認後、車両の側面方向に身体を向けつつ進行方向へ腕を水平に上げます。併せて、誘導灯を持った手を下から進行方向に振りましょう。手旗の場合、体の向きは同様で、赤旗を下ろし同時に白旗を上げて振ります。
徐行の合図の立ち位置は進行と同様です。誘導灯は停止と同様に真横に伸ばしゆっくりと上下に揺らします。手旗の場合は、手の甲が上になるように白旗を持ち肩の高さまで上げ、手首を使って上下に振りましょう。併せて、警笛を手首の動きに合わせて吹き鳴らします。
続いて、バック時や片側通行など、基本とは異なるケースの車両誘導方法について解説します。
車両誘導のなかでも、バック時の合図では特に警備員の立ち位置が重要とされます。
誘導の際は、まず車両の左後方に立ちます。後ろへ5~10メートル、左へ2メートル程度の距離を保ちましょう。この位置に立つことで、運転手がバックミラーなどから姿を視認することができます。
立ち位置が決まったら、車両の進行方向に向かって体を平行に向けます。
誘導灯の場合は、前述の停止・進行を基本とした合図を出しましょう。手旗を持っている場合は、まず赤旗を肩の高さに上げ運転手に注意を促します。安全が確認できたら、続いて白旗を上げ左右に振り進行を促します。
加えて、警笛を手旗や誘導灯の動きに合わせて等間隔で吹き鳴らします。短い音は進行、長い音は停止、緊急時は短い連続音が警告の合図です。合図と対応する意味をしっかり覚えることが大切です。
片側交互通行を促す指示は、「片交」とも呼ばれます。片側交互通行の誘導方法は、以下の3ステップで行ないます。
上記ステップで使用する合図は、おもに前述した「停止予告」「停止」「進行」の3つです。さらに、ほかの警備員へ「車両の列が流れるように促して欲しい」旨の合図やドライバー対応なども追加されます。
始点側・終点側の警備員に加え、規制区間で工事車両の出入りや作業員への注意喚起を目的に中間地点にも警備員が配置されるケースもある点に留意しておくとよいでしょう。
最後に、車両誘導を行なう際に心がけるべきポイントについて解説します。
車両誘導では基本の誘導方法はもちろん、バック時、交互通行時など、状況に適した合図と意味をきちんと理解しておくことが重要です。
明らかに異なる指示を出し車両が事故などを起こした場合、負傷のリスクがあるだけでなく「共同不法行為」と見なされる可能性があります。共同不法行為と判断された場合、車両の運転手だけでなく交通誘導員も責任を問われる恐れがあるため注意しましょう。
工事現場などでは、必要に応じて運転手側にも合図の意味を事前に共有しておくのがおすすめです。合図を理解し正確な指示を出すことで、誘導時のミスや混乱を最小限に抑え、安全な作業環境の維持につながります。
車両誘導の際は、周囲の安全をこまめに確認することを心がけましょう。車両だけでなく、作業場内の人々の動きや障害物に気を配ることが大切です。
加えて、誘導中などに自分自身が事故に遭わないように細心の注意を払うことも重要です。車両誘導の死角に入ったり、車両の前に出て合図を出したりなどの危険行為は避けてください。また、横断歩道や生活道路が近い場所での誘導は、車両ではなく歩行者優先を遵守することが不可欠です。
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※建築・土木等に関する交通誘導はSPD株式会社では取り扱っておりません。
車両誘導は、事故を未然に防ぎ、車両の運転手や作業員が安全に作業を行なうために欠かせない業務といえます。車両誘導を行なう際は、誘導に必要な装備品をそろえるとともに、基本の姿勢や合図を正確に実施することが大切です。
また、車両だけに集中するのではなく、作業員や歩行者など、周囲の安全にもしっかり気を配ることが大切です。 SPD株式会社では「警備業務に挑戦したい」「警備員としてキャリアを伸ばしたい」という方を募集しています。ご興味がある方は、ぜひご応募ください。
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