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貴重品運搬警備2級とは?試験内容・合格率・取得方法などをまとめて解説

貴重品運搬警備2級とは?試験内容・合格率・取得方法などをまとめて解説

貴重品運搬の警備業務で働くうえで、「貴重品運搬警備2級」の資格について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。資格の取得方法や試験内容について把握しておけば、スムーズな取得を目指せます。

今回は、貴重品運搬警備2級の概要を紹介したうえで、この資格の取得方法や、試験内容・合格率、有資格者が知っておきたいポイントについても解説します。資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

※貴重品・危険物運搬警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

貴重品運搬警備2級とは?

そもそも貴重品運搬警備とは、現金や貴金属などの貴重品を運搬する際に、安全かつ確実に目的地へ届けるための警備を行なう仕事です。

貴重品運搬警備2級は、この貴重品運搬の警備業務にあたる者が一定の知識・能力を有していることを証明する資格で、貴重品運搬警備業務検定の2級に合格することで取得できます。

なお、貴重品運搬警備2級は、警備業法によって定められた6種類の国家検定資格の一つで、その他の資格には以下が挙げられます。

  • 空港保安警備業務
  • 施設警備業務
  • 雑踏警備業務
  • 交通誘導警備業務
  • 核燃料物質等危険物運搬警備業務

その他の警備員の資格については、詳しく解説した以下の記事をご覧ください。

【警備員の資格】スキルアップに役立つおすすめ5種類と取得するメリット

貴重品運搬警備2級を取得する方法は2パターン

貴重品運搬警備2級を取得する方法は大きく2つのパターンに分かれています。ここでは、それぞれのパターンの概要を見ていきましょう。

1.公安委員会の検定を受ける

1つ目は、公安委員会が実施している検定試験に合格することで、資格を取得する方法です。公安委員会の検定を受けて資格取得する際のおもな流れは、以下のとおりです。

  1. 電話で申し込みをしたのち、書類提出と手数料1万6,000円の納付を行なう
  2. 検定試験(学科試験・実技試験)に合格する
  3. 成績証明書が交付される
  4. 検定合格証明書の交付申請を行なう

上記のとおり、公安委員会の検定を受ける際は、まず受付専用電話にて申し込みを行なう必要があります。受付は先着順となっているほか、原則的には受講希望者本人からの電話だけを受け付けていることに留意しておきましょう。

また、検定試験では学科・実技の両方に合格する必要があります。成績証明書の交付後は、警察署の生活安全課防犯係で検定合格証明書の交付申請を行なわなければなりません。

2.登録講習機関の修了考査を受ける

2つ目は、登録講習機関の講習会を受講後、修了考査に合格することで資格を取得する方法です。登録講習機関の修了考査を受けて資格取得する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 講習受講を申し込み、講習を受講する
  2. 修了考査(学科試験・実技試験)に合格する
  3. 修了証明書が交付される
  4. 検定合格証明書の交付申請を行なう

なお、警備員が対象の特別講習は2日間、警備員になろうとする者を対象とする講習は6日間行なわれることが特徴です。

警備員を対象とした講習料金は3万3,000円(税込)であるため、前述の公安委員会の検定を受ける場合よりも費用面の負担は大きくなります。その一方、修了考査を受けて資格取得を目指すこちらの方法のほうが、合格率が高いという違いもあります。

特別講習について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。

警備業務検定の特別講習とは?直接検定との違いも詳しく解説

貴重品運搬警備2級の資格要件・試験内容・合格率

貴重品運搬警備2級の資格要件・試験内容・合格率

続いて、貴重品運搬警備2級の資格要件や試験内容、合格率を確認していきます。

資格要件

公安委員会の検定を受ける人は、現職が警備員であること、地域を管轄する公安委員会が実施する検定を受けることが受検資格となります。

それに対し、登録講習機関の2級の特別講習は誰でも受けられることが特徴です。ただし、警備員が対象の講習と、警備員になろうとする人が対象の講習に分かれているため、申し込みの際に誤らないように注意が必要です。

試験内容

公安委員会の直接検定を受ける場合を例に、試験内容について紹介します。まず学科試験では、五枝択一式で20問が出題され、制限時間は60分間となっています。

出題範囲の例は、警備業務の意義と重要性、警備業法第15条、礼式と基本動作などです。受検者の持ち点(100点)から減点方式で採点され、90点以上であれば合格となります。

学科試験に合格した場合のみ、実技試験を受検できます。実技試験の出題範囲例は、貴重品積卸し時の警戒要領、貴重品携行時の警戒要領などです。

一方、登録講習機関の修了考査の試験問題は、特別講習の内容とほぼ同じとされています。例えば、学科試験の内容には、「警備業務の基本的事項」「関係法令」などが挙げられます。

合格率

2023年における登録講習機関の修了考査の合格率は77.5%で、再試験の合格率は43.5%となっています。

一方、公安委員会の検定の合格率は20~40%程度とされており、登録講習機関の修了考査の合格率よりも低い傾向です。

貴重品運搬警備2級の有資格者が知っておきたいポイント

警備員としてのさらなるキャリアアップを目指すため、貴重品運搬警備1級を取得したいという方もいるかもしれません。

ただし、貴重品運搬警備業務1級の試験を受けるには、2級の合格証明書の交付を受けてから、貴重品運搬警備の業務に1年以上従事しているという要件を満たす必要があります。

この要件は公安委員会の検定、登録講習機関の修了考査のどちらにも設けられています。そのため、警備員としてキャリアアップしていきたいという方は、資格取得のスケジュールをしっかりと立てたうえで、貴重品運搬警備の業務経験を積んでいきましょう。

まとめ

貴重品運搬警備2級の資格を取得することで、貴重品運搬に関する一定レベルの知識・能力を証明できます。この資格を取得する方法は、公安委員会の検定を受ける方法と、登録講習機関の修了考査を受ける方法の大きく2つに分かれています。

取得方法によって、試験を受けるまでの流れや料金、合格率などが異なる点に留意しておきましょう。警備会社によっては、資格取得支援に関する福利厚生が充実しているので、警備員として働く企業を選ぶ際にチェックしておくのもおすすめです。

※貴重品・危険物運搬警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

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