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輸送警備員とは?年収相場や志望動機の書き方も解説

輸送警備員とは?年収相場や志望動機の書き方も解説

警備員の仕事は多岐にわたるため、仕事内容の詳細までは知らない人も多いでしょう。警備員の仕事の一つである「輸送警備」では、現金をはじめとする貴重な品々を目的地まで届ける、重要な役割を担っています。そのため、ほかの警備の仕事と比較すると、一層の緊張感が求められる仕事といえるでしょう。

この記事では、輸送警備員の仕事内容や年収相場、志望動機の書き方などを紹介します。また、輸送警備に定められている「警戒4原則」も紹介するので、輸送警備員を目指している方は確認しておきましょう。

※貴重品・危険物運搬警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

輸送警備員とは?概要や仕事内容について

そもそも、輸送警備員とはどのような仕事なのでしょうか。警備の仕事は多岐にわたるため、輸送警備とほかの警備の違いを理解しておくことが大切です。

ここでは、輸送警備の概要や仕事内容、業務中の装備について解説します。

警備業法の「3号警備」にあたる

警備員といっても、業務内容は警備業法上で以下4つの区分に分類されていることをご存じでしょうか。

  • 1号警備(施設警備)
  • 2号警備(イベント・雑踏警備)
  • 3号警備(輸送警備)
  • 4号警備(身辺警備)

輸送警備員は、4つの区分のうち3号警備にあたります。

1号警備は、オフィスビルや公共施設、大型商業施設など、対象の施設に応じた警備を行なうのがおもな仕事です。2号警備では、車や人が往来する道路、イベントなどの雑踏における誘導や安全確保を行ないます。4号警備は、著名人をはじめ、さまざまな人に対するボディーガードがおもな仕事です。

そして、今回紹介する3号警備では、貴重品を運搬する際の安全確保という役目を担っています。そのため、1号警備や2号警備と比較した場合、一層の緊張感が要求されるといえるでしょう。

※身辺警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

仕事内容

輸送警備の仕事は、大きく「貴重品輸送警備」と「核燃料物質等危険物運搬警備」の2つに分類されます。

貴重品輸送警備は、現金や美術品、貴金属などの貴重品を輸送するにあたり、盗難や事故などによる被害を受けないように守るのがおもな仕事です。例えば、金融機関から多額の現金を輸送したり、美術館に展示品を輸送したりする際に警備を行ないます。

一方の核燃料物質等危険物運搬警備は、核燃料物質や放射性廃棄物などを安全に運搬するのがおもな仕事です。ほかにも、引火する可能性がある物質や、空気中に飛散する危険性があるような物質も警備対象になります。

貴重品を輸送する際は、金庫室を備えた現金輸送車で業務を行なうため、安全かつ確実な運搬が可能です。

おもな装備

3号警備は、1号警備や2号警備と比較すると身の危険性が高い業務といえます。そのため、3号警備においては、安全性の高い重装備で業務を行なうのが一般的です。

警備を実施していることが周囲に伝わるだけでも、事故や事件の抑止につながります。警備の際に制服を着用するケースが多いのは、警戒していることをあえて周囲に伝えるためです。特に、危険性の高い3号警備では、制服を着用して警戒している様子をアピールすることが重要といえるでしょう。

3号警備ではヘルメットや警戒棒は必ず着用し、危険な状況に遭遇しても対応できるように備えます。貴重品輸送警備を行なう際は、パネル入りの防弾チョッキを着用し、銃弾や刃物による攻撃に備えるケースも多いでしょう。

輸送警備員の年収相場

現金や貴金属など、貴重品輸送を行なう警備員の年収は、200万円~400万円ほどといわれています。3号警備は危険性の高い業務ということもあり、1号警備や2号警備の年収よりも比較的高い傾向があります。

業務に役立つ専門資格を保有していることで資格手当が発生し、年収がアップする可能性も考えられるでしょう。特に、運転免許や貴重品運搬警備業務検定などは、3号警備に従事するうえで優遇される資格です。

企業によっては階級制度が設けられており、階級によって年収に違いが出るケースもあります。年収アップを望むのであれば、管理職への昇進を目指すことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

輸送警備員の志望動機を書く際のポイント3選

ここでは、志望動機を書く際のポイントを3つ紹介するので、履歴書を書く際は参考にしてみてください。

職業を選んだ理由を明確化しておく

前述したように、警備の仕事は1号警備から4号警備まで区分されており、それぞれの業務内容は異なります。そのため、輸送警備員を志望する際は、ほかの警備ではなく輸送警備を選択した理由を採用担当者に明確に伝えなくてはなりません。

輸送警備は貴重品を運搬する仕事であることから、多くの人の生活を支える社会貢献度の高い仕事といえます。志望動機に「輸送警備に従事することで社会貢献がしたい」などの内容を盛り込むことで、仕事に対する熱意を伝えられるでしょう。

体力面をアピールする

警備業務のなかでも、輸送警備は特に危険性の高い業務といえます。危険な場面に遭遇した場合、体力がなければ適切に対応できない可能性があるため、体力に自信のある人のほうが向いているでしょう。

体力があることをアピールするには、スポーツ体験や大会出場の経験などを志望動機に組み込むのが効果的です。部活動での活動内容や大会での結果など、具体的に示すことで伝わりやすくなります。

また輸送警備員には、危険な場面でも責任を持って対応できるメンタルが必要です。「厳しいスポーツ体験によってメンタル面も鍛えられた」など、アピール方法を工夫して、輸送警備員に必要な特性を効果的に伝えましょう。

自分本位なスタンスで書かない

就職したい企業の福利厚生が充実している場合でも、待遇面の良さで選んだことを強調する内容はおすすめできません。採用担当者としては、採用する人材が自社に貢献できるかどうかを重要視します。そのため、自身にとってのメリットではなく、企業側がメリットを得られる内容を伝えることが大切です。

例えば、資格取得をサポートする制度がある企業に就職したい場合、その制度があるから志望したと伝えるのは避けたほうがよいでしょう。「資格取得支援制度なども活用しつつ、貴社に貢献できる人材として成長したい」など、伝え方を工夫し、企業に貢献したい気持ちを表現するのが効果的です。

輸送警備員に役立つ2つの資格とは

輸送警備員として働くにあたり、取得しておくと役立つ資格があります。ここでは「貴重品運搬警備業務検定」と「核燃料物質等危険物運搬警備業務検定」の2つを紹介するので、資格取得を検討する際にお役立てください。

貴重品運搬警備業務検定

貴重品運搬警備業務検定とは、現金や貴金属などの運搬業務における防犯能力の高さなどを証明できる資格です。検定には1級と2級があり、以下のような受検資格が設けられています。

  • 1級:2級の検定に合格したのち1年以上の当該実務経験がある者
  • 2級:20時間の警備員新任教育を受けた満18歳以上の者

資格を取得するためには、公安委員会が実施する「直接検定」に合格するか、登録講習機関が実施する講習を受けて修了考査に合格しなければなりません。

公安委員会の直接検定で取得する場合は、学科試験と実技試験の両方に合格しなくてはなりません。登録講習機関の講習を受ける場合は、警備員対象の講習、あるいは一般対象の講習を受けて修了考査に合格し、検定合格証明書の交付申請をすることで合格証明書が交付されます。

費用は、公安委員会の直接検定が1万6,000円、登録講習機関の警備員対象講習が3万3,000円、一般対象の講習が7万9,200円です。

核燃料物質等危険物運搬警備業務検定

核燃料物質等危険物運搬警備業務検定とは、核燃料など危険物の運搬における必要知識を証明する資格です。警備業務に関する法令や緊急時の行動、テロ対策などに関する知識も習得する必要があります。

1級と2級があり、資格取得方法や検定費用は貴重品運搬警備業務検定と同様です。警備業検定のなかでも特殊な資格のため、取得難度も高めであることを理解しておきましょう。

輸送警備員になる際の注意点

貴重品や危険物の運搬を安全かつ確実に遂行するために、輸送警備の業務では「警戒4原則」が定められています。警戒4原則の内容は、以下のとおりです。

  • 止めるな:対象物の運搬中、不審者や運搬を止めようとする人がいても、基本的には車両を止めずに運転を継続しなければなりません。たとえ止めようとした人が警察官であっても、管理者に確認を取り、警察官だと断定できた場合のみ応じます。
  • 乗せるな:対象物を運搬している場合は、相手が誰であろうが車に乗せてはなりません。たとえ体調不良の人を見かけたとしても、悪意を持った人物でないとは限らないためです。
  • 離れるな:業務中は、絶対に対象物および車両から離れてはならないと定められています。
  • 開けるな:不用意に窓を開けてしまうことで、催涙スプレーを吹きかけられたり攻撃されたりする危険性があるため、絶対に開けてはなりません。

2000年5月には、現金輸送車に現金を搬入している最中に、男から拳銃で撃たれて死亡した事例もあります。そのため、常に警戒を怠らないように注意することが大切です。

参照:中央労働災害防止協会「警備業における死亡災害事例(1999-2020年)」

まとめ

輸送警備員とは、貴重品や核燃料物質などを運搬する際に警備を行なうのがおもな仕事です。1号警備や2号警備と比較すると危険性の高い役割を担っているため、一層の緊張感を持って業務に従事しなければなりません。

警備会社の求人に応募する際は、自身がどのように貢献できるのかを明確に伝えることが大切です。特に、輸送警備のような危険をともなう業務では、体力に自信のあることはもちろん、警備員として成長しようと思う姿勢も重要視されるでしょう。

輸送警備は年収が高めの傾向にありますが、企業によって違いがあることも理解しておかなければなりません。輸送警備の求人に応募する際は、事前にしっかりと確認しておきましょう。

警備・防犯・セキュリティのSPD株式会社