警備の豆知識
BLOG

要人警護とは?種類やボディーガードとの違いなどをまとめて解説

要人警護とは?種類やボディーガードとの違いなどをまとめて解説

「要人警護」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

要人警護とは、重要な地位にある人物を守る警察活動のことです。要人の警護にあたる人は「警護員」と呼ばれ、警察官のなかでも厳しい条件を満たした人が選ばれます。

今回は、要人警護の概要や警護の対象・種類のほか、要人警護を行なう警護員・ボディーガードを行なう警備員になる方法などを解説します。

※身辺警備は、SPD株式会社では取り扱っておりません。

要人警護とは

要人警護とは

冒頭に軽く触れましたが、要人警護とは、要人(重要な地位にある人物)の身辺を事故や災害、暴力行為などから守る警察活動のことです。

要人警護の対象者や、ボディーガードとの違いなどを紹介します。

要人警護の対象者

要人警護の対象は、警察法の規定に基づいて定められる「警備要則」にて、以下のように示されています。

(警護対象者)
第二条 この規則において「警護対象者」とは、内閣総理大臣、国賓その他その身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者として警察庁長官(以下「長官」という。)が定める者をいう。
引用:e-Gov法令検索「警護要則」

つまりは、内閣総理大臣や国賓、衆・参議院議長、官僚、首相経験者などです。

要人に危害がおよぶと、国として大きなダメージを受けるほか、国外からの信用問題にもかかわるなど、他国との関係にも影響しかねません。そのため、要人警護を行なう警護員は、自分の身を盾にして要人を守ることもあります。

ボディーガードとの違い

人物の安全を守る仕事にはボディーガードもありますが、要人警護とボディーガードでは対象者や警護をする人の職業、武器の所持などが異なります。

まず対象者について、要人警護は前述のように要人が対象になりますが、ボディーガードでは警察の警護対象外の政治家や有名人、企業の経営者、トラブルの被害に遭っている一般人など、幅広い人が対象になります。

警護を担当する人の職業は、要人警護が警察官であるのに対し、ボディーガードは一般企業に勤める警備員です。つまり、国家公務員か民間企業の従業員かという違いがあります。

また、要人警護では拳銃や警棒などの武器を所持できますが、ボディーガードは武器の所持ができません。民間の警備員が所持できるのは護身用の警戒棒のみです。

要人警護の種類

要人警護は、担当する任務によって以下のように区分されています。

  • 身辺警護員:要人のすぐ近くもしくは周辺で警護を担当する
  • 行先地警護員:要人の行き先に事前に配置され、警護を担当する
  • 沿道警護員:要人の通過する道に配置され、警護を担当する
  • 宿舎警護員:要人の公私邸に配置され、警護を担当する

また身辺警護員のなかでも、常に要人とともに行動する警護員をSP(セキュリティポリス)と呼びます。

要人警護を行なう警護員になるには?

要人警護を行なう警護員になるには?

要人警護にあたる警護員は、自らが盾となって要人の身を守る必要があるため、誰もがなれるわけではありません。強靭な肉体と高いスキル、強い使命感を必要とする警護員になるには、厳しい条件を満たす必要があります。

ここでは、要人警護になる方法を解説します。

要人警護を行なう警護員になるための条件

要人警護を担当する警護員になるには、以下のような条件をクリアする必要があります。

  • 警視庁に所属する警察官であること
  • 柔道もしくは剣道が3段以上であること
  • けん銃操法の上級者であること
  • 警視庁内で実施する体力検定の上級者であること

なお、このほかに身長や視力などの基準もありますが、あくまで目安だとされています。

要人警護を行なう警護員になる方法

要人警護にあたる警護員は警察官であるため、以下のような手順を踏みます。

  • 警視庁の警察官採用試験を受けて合格する
  • 警察学校での研修を受ける 研修期間:Ⅰ類(大学卒業程度)…6ヵ月、Ⅲ類(高校卒業程度)…10ヵ月
  • 警視庁の警察官としてのキャリアを積み、上司から警護課へと推薦してもらう
  • 警察学校の警護講習を経て、優秀と認められれば要人警護に任命される

このように、警護員になるには長い年月がかかります。

ボディーガードを行なう警備員になるには?

要人警護と違い、ボディーガードを行なう警備員になるために、必要な条件や合格すべき試験はありません。前述したとおり、ボディーガードは民間企業に勤める警備員が行なう業務のため、各警備会社の採用試験を通れば、未経験者でもなれる可能性があります。

警備会社によって採用基準が設けられているため、ボディーガードを行なう警備員志望の方は、各警備会社のホームページなどで調べてみてください。

警備会社のなかには、ボディーガード関連の業務を行なっていない会社もあります。ボディーガードは「身辺警備」や「4号業務」とも呼ばれるため、希望する会社を選ぶ際は、これらの業務を担っているか確認するとよいでしょう。

※身辺警備は、SPD株式会社では取り扱っておりません。

身辺警備については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。

身辺警備とは?向いている人の特徴や働くうえでの注意点も解説

まとめ

要人警護とは、警察官が重要な地位の人物を守るために行なう活動を指します。それに対してボディーガードは、民間の警備会社の警備員が個人を守るために行なう業務です。

どちらも人の安全を守るための重要な役割ですが、要人警護はときに自分を盾にして対象者を守る必要もあるため、より危険で責任重大だといえるでしょう。

要人警護を行なう警護員になるには、まず警察官になり、警察内部で推薦を受けたり講習を受けたりしたのちに、優秀な人材と認められる必要があります。

それに対してボディーガードは、各警備会社の採用試験に合格すればなることができます。危険で責任の大きな仕事ですが、それだけにやりがいを感じることも多いでしょう。

警備・防犯・セキュリティのSPD株式会社