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空港警備とは?仕事内容ややりがい、役立つ資格など幅広く解説

空港警備とは?仕事内容ややりがい、役立つ資格など幅広く解説

空港警備(空港保安警備)は、空港や旅客の安全を守る重要な仕事です。空港を利用する際に空港警備員の姿を見たり、空港警備について耳にしたりして、気になっている方もいるのではないでしょうか。

今回は、空港警備の概要や仕事内容、やりがい、役立つ資格などを解説します。空港警備について、理解を深めるきっかけにしてください。

空港警備(空港保安警備)とは?

空港警備のおもな仕事内容

空港警備(空港保安警備)は、特定の施設に常駐して安全を守る「施設警備」の一種です。

空港は、さまざまな国の数多くの人が往来する場所であり、悪意を持った人物や危険物が紛れ込むリスクが高いといえます。空港施設内の巡回や、航空機に搭乗する旅客・荷物の検査などを通じて、空港や旅客の安全を守るのが空港警備員の役目です。

空港警備員は、羽田空港(東京国際空港)や成田国際空港をはじめ、全国の空港で活躍しています。

※空港警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

施設警備について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

施設警備とは?仕事内容や年収、将来性などもまとめて解説

空港警備のおもな仕事内容

ここでは、空港警備の仕事内容を3つに分けて紹介します。

ターミナルビルの巡回・点検

空港警備では、不審者や不審物の存在を警戒しながら、空港ターミナルビルを巡回します。空港警備員が巡回することで、ターミナルビル内でのスリや置き引きなどの抑制効果も期待できるでしょう。

また、従業員専用のエリアも含め、エレベーターやトイレなどの施設を点検し、異常がないかチェックします。

巡回中に困っている旅客と出会ったら、適切なサポートをするのも業務の一つです。例えば、「どこに並べばよいかわからない」「気分が悪くなってしまった」といったケースが想定されます。

巡回警備についてさらに詳しくは、以下の記事をご覧ください。

巡回警備の目的・種類とは?依頼するメリットや警備会社選びの注意点を解説

旅客や荷物の保安検査

ハイジャックなどの事件や、爆発などによる事故を未然に防ぐため、航空機に搭乗する旅客の身体検査(ボディチェック)や手荷物の検査を行ないます。

具体的には、身体検査では金属探知機やボディスキャナー、手荷物検査ではX線検査装置を使用し、危険物を検出します。危険物については、航空法第86条に基づき航空会社ごとに取り扱いが定められているため、あらかじめ確認が必要です。

参考:e-Gov法令検索「航空法第86条」

制限区域内への出入管理

航空機の滑走路や離着陸エリア、管制塔、格納庫など、空港には安全面・防犯面から立ち入りが制限される区域が存在します。

例えば、駐機中の航空機に不審者が近づくことで、重大な事件・事故が発生するかもしれません。このようなリスクをなくすため、制限区域内への出入管理を行なうのも空港警備の業務です。

空港に限らず、施設警備の出入管理では、身分証明書や社員証などをもとに人の出入りをチェックします。

施設警備員の出入管理とは?詳しい業務内容や向いている人を解説

防災センターでの監視

空港には、24時間体制で安全管理を実施するための防災センターが設置されています。空港警備には、防災センター内で、施設や設備に異常がないか監視する業務も含まれます。

防災センターでの監視業務により、万が一空港施設内で事件や事故、災害が発生した際にも迅速な対応がとれるのです。

空港警備の仕事はきつい?3つの注意点

空港警備の仕事は、「きつい」といわれることもあるようです。ここでは、その理由を解説します。

深夜や早朝の勤務がある

航空機は深夜・早朝にも離着陸するため、基本的には365日24時間体制での警備が求められます。

よって、空港警備員の勤務時間も日中のみとは限らず、深夜や早朝になることがあります。シフトが不規則であるため、人によっては体力的にきついと感じるかもしれません。

常に気を張らなければならない

もし、空港警備員の些細なミスで不審者や不審物を見逃してしまった場合は、多くの人を巻き込む事件・事故の発生につながる可能性があります。

また、トラブル発生時には、自分がすべきことを瞬時に判断し、臨機応変に対応する力も必要です。

このように、空港警備員はいかなるときも気を抜かず、高い集中力を保たなければなりません。精神的な負担も、厳しさを感じる原因といえるでしょう。

旅客対応で大変な思いをすることも

空港の安全を守るためには、旅客の理解と協力が不可欠です。

しかし、日本語が通じない方とのやり取りの際には、コミュニケーションに苦労する場面もあるでしょう。また、保安検査の場面では、急いでいる旅客や一部の荷物を持ち込み不可と判断された旅客から、理不尽なクレームを受けることもあります。

空港警備員は、落ち着いた態度で毅然と対応しつつも、旅客に納得・安心してもらえるコミュニケーションを心がけることが大切です。

空港警備員として働くやりがいやメリット

空港警備員として働くやりがいやメリット

前章のとおり、空港警備の仕事は「きつい」といわれる面もあります。しかし、その分やりがいやメリットも大きく、男性・女性問わず多くの空港警備員が活躍しています。

ここでは、空港警備員として働くやりがい・メリットを見てみましょう。

空港や旅客の安全を守れる

空港警備員は、空港の安全や旅客の命を守るという大きな使命が、何よりのやりがいです。

空港はテロのターゲットとされやすく、ハイジャック事件などが発生する可能性があります。空港警備は、それらのリスクを可能な限り排除する重要な仕事です。

このことから、責任感の強い方や常に冷静な対応ができる方は空港警備員に向いているといえます。

多くの人と触れ合える

施設警備と聞くと、人とはあまり関わらない、閉鎖的な仕事をイメージする方もいるかもしれません。

しかし、空港警備では、開かれた環境で日々たくさんの人と接します。接客業務が好きな方にとっては、空港警備の仕事はメリットがあるでしょう。

また、接客を通して旅客から感謝の言葉をもらえることが、やりがいとなります。

語学力などのスキルを活かせる

国内外の人々と関わる空港警備員には、一定の語学力が求められます。英語を中心とした語学力がある方にとっては、グローバルな環境で自分のスキルを活かせる仕事となるため、やりがいを得やすいでしょう。

また、コミュニケーション能力が高い方も同様に、空港警備でスキルを活かしやすいと考えられます。

空港警備に役立つ資格「空港保安警備業務検定」

空港警備員になるにあたり、必須の資格はありません。

ただし、「空港保安警備業務検定」と呼ばれる国家資格を取得することによって、対応できる業務範囲が広がります。実際に、「警備員等の検定等に関する規則」第2条にて、X線透視装置が設置されている場所ごとに、空港保安警備業務検定合格者を1名以上配置することが定められています。

また、所属する警備会社によっては、空港保安警備業務検定を取得することで、資格手当を受けられるケースもあります。

参考:e-Gov法令検索「警備員等の検定等に関する規則第2条」

空港保安警備業務検定1級・2級の違い

空港保安警備業務検定には、1級と2級があります。

2級は誰でも受検可能ですが、1級を受検するには、原則として2級合格後に1年以上の実務経験が必要です。まずは、2級からチャレンジしましょう。

空港保安警備業務検定の資格取得方法としては、以下の2つがあります。

  • 航空保安警備教育システムという企業が実施する特別講習を受講し、修了考査に合格する
  • 都道府県公安委員会が実施する検定試験(直接検定)を受験し、合格する

参考:有限会社空港保安警備教育システム「講習会について」

参考:警視庁「公安委員会が実施する直接検定の申込受付」

空港警備においては、警備を行なう場所ごとに、空港保安警備業務検定1級の有資格者の配置が義務付けられています。1級まで取得できれば、警備員を統括するリーダーとして、さらなる活躍が期待できるでしょう。

参考:e-Gov法令検索「警備員等の検定等に関する規則第2条」

空港保安警備業務検定のさらに詳しい情報は、以下の記事を参考にしてください。

空港保安警備業務検定とは?取得するメリットや取得方法、試験内容を解説

まとめ

施設警備の一種である空港警備(空港保安警備)は、ターミナルビルの巡回や保安検査、出入管理などにより、空港の安全や旅客の命を守るのが役目です。

深夜・早朝勤務による肉体的な負担や、高い集中力を保ちながらさまざまな旅客に対応する精神的負担も生じますが、その分やりがいやメリットは大きくなります。空港で働きたい方や責任感がある方、語学力・コミュニケーションスキルを活かしたい方などに向いている職業といえるでしょう。

空港警備員として働くにあたっては、空港保安警備業務検定の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

※空港警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

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