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鉄道警備員の役目は?列車見張りなどの仕事内容や必要な資格も紹介

鉄道警備員の役目は?列車見張りなどの仕事内容や必要な資格も紹介

鉄道警備とは、人々・鉄道施設の安全や、列車の正確な運行を守る仕事です。鉄道警備の仕事内容は幅広いため、具体的にどのようなことをしているのか知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、鉄道警備員の役目や仕事内容、必要な資格について解説します。鉄道警備員として働きたい方はもちろん、さまざまな警備員の仕事内容を比較して自分に合うものを見つけたい方も、ぜひ参考にしてください。

鉄道警備員の役目とは

日本では、通勤・通学時をはじめ、毎日数多くの方が鉄道を利用しています。また、コンテナに積まれた荷物も、鉄道を使って日々大量に運ばれています。

そのようななかで、運行中の列車による事故や鉄道工事現場での事故が発生すると、利用者・荷物量が多い分、大きな影響が出てしまいます。

高速で動く列車は、便利である一方で命を脅かす凶器にもなり得るものです。鉄道警備員は、列車の利用者や工事関係者、一般の通行者・車などの安全を守る役目があります。

鉄道警備の仕事は集中力や緊張感を要するだけに、「きつい」と感じる場面もあるかもしれません。しかし、その分任務を遂行できたときのやりがいは大きなものでしょう。

※鉄道警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

鉄道警備員の幅広い仕事内容

鉄道警備員の幅広い仕事内容

鉄道警備員の仕事内容は、多岐にわたります。ここでは、仕事内容を7つに分類して見ていきましょう。

1.列車見張り

列車の運行における正確性と安全性を維持するため、鉄道工事は頻繁に行なわれています。例えば、鉄道路線の補修工事や高架線の工事などです。こうした鉄道工事は、列車が行き交うなかで行なわれることもあり、列車の接近に気付かないと大変危険です。

そこで、列車の運行状況を把握した鉄道警備員(列車見張員)が、適切なタイミングで合図を出し、工事関係者が作業を中断・退避できるようにします。また、列車の通過後は、安全確認のうえ作業再開の旨を工事関係者に伝えます。

万が一、事故が発生するリスクがある状況となった場合には、ただちに列車を停める手配をすることも重要な業務です。

2.旅客誘導

駅の改良工事など、通常どおり稼働している駅構内で行なわれる工事もあります。工事中はプラットホームが狭くなり、何も対策を採らなければ駅の利用者が列車と接触したり、線路上に転落したりするかもしれません。

また、工事により迂回が必要な場合は、利用者の混乱が生じる可能性もあります。

そこで、鉄道警備では、ホーム上や駅構内において利用者を適切に案内・誘導します。鉄道警備員の働きにより、利用者の危険を回避できるだけでなく、ストレス軽減にもつながるでしょう。

3.重機誘導

鉄道工事では、重機を用いることも珍しくありません。重機が倒れたり、鉄道設備や工事関係者、列車の利用者と接触したりすると、列車の運行や人々の安全に影響が出てしまいます。

鉄道警備員は、重機の運転手と連携しながら重機を移動させるとともに、周辺を常に監視することで事故を防ぎます。

なお、列車が通過しない夜間に行なわれる工事では、鉄道警備員もそれに合わせて深夜帯の勤務となります。

4.交通誘導

建設機械を公道に進出させる場合など、鉄道工事が一般の通行者や車に影響を与える場面があります。通行者がいるときには機械の移動を止めたり、一般の車に徐行を促したりして安全を守ります。

交通誘導(車両誘導)のやり方などについて詳しくは、以下の各記事を参考にしてください。

交通警備のやり方とは?交通整理との違いや資格についても解説

車両誘導マニュアル 基本の誘導やケース別の誘導方法などをまとめて解説

5.踏切警備

鉄道工事の内容によっては、一時的に踏切設備の機能を止めなければなりません。踏切が動いていないと、一般の通行者や車は、列車が近づいているかどうかわからなくなってしまうでしょう。

鉄道警備員(踏切監視員)は、列車の運行に合わせて一般の方々の通行を抑止したり、注意喚起したりと、踏切の代わりの役割を果たします。

6.巡回・警戒

鉄道施設内外を定期的に巡回し、不審者や不審物の早期発見に努めるのも鉄道警備員の仕事です。

工事が行なわれていないときでも、利用者の列車との接触や、線路上への転落防止は常に警戒します。万が一、利用者の線路上への転落を発見した際には、すぐに非常停止ボタンの操作をして列車を停める必要があります。

なお、走行中の新幹線の車内警備も、巡回業務の一つに分類できるでしょう。

7.旅客対応

鉄道警備をしていると、列車の利用者から路線などに関する質問を受けることがあるかもしれません。駅という場所柄、急いでいる方が多いため、迅速かつ的確に案内することが大切です。

また、車椅子を利用している方や体が不自由な方がいた場合には、サポート業務も担います。

鉄道警備員に必要な資格

鉄道警備の仕事に従事するためには、原則として「列車見張員」の民間資格が必要となります。列車見張員の資格試験は、主催する団体の違いに応じて「施設資格試験」と「電気資格試験」に分かれているのが特徴です。

資格を取得するには、一定の手順を踏まなければなりません。まずは、施設資格試験については日本鉄道施設協会、電気資格試験については鉄道電業安全協会が主催する講習会に参加しましょう。そのうえで、筆記試験や実技試験などに合格すると、資格を取得できます。資格取得後は、一定期間ごとに更新(継続)のための講習を受講することになります。

なお、試験を受けるにあたって警備業務の経験は問われませんが、受験申請の際には医学適性検査を受け、基準を超えていることが必要です。さらに詳しい情報は、各機関のWebサイトでご確認ください。

参考:一般社団法人日本鉄道施設協会「保安講習会」

参考:一般社団法人鉄道電業安全協会「講習会」

まとめ

鉄道警備員は、列車見張りや旅客誘導、踏切警備などの幅広い仕事に携わります。それらの仕事を通して、列車の利用者や工事関係者、一般の通行者や車などの安全を守るのが鉄道警備員の役目です。

また、鉄道警備員の仕事に従事するためには、原則として「列車見張員」の資格が必要となります。講習会の実施機関のWebサイトにて最新情報を得て、ぜひ資格取得を目指してみてください。

※鉄道警備はSPD株式会社では取り扱っておりません。

警備・防犯・セキュリティのSPD株式会社