高速道路警備員の仕事内容は?やりがいや働く前に知っておき…
高速道路上で交通誘導などを行なう「高速道路警備員」として働いてみたい方も多いのではないでしょうか。実際に就労する場合は、仕事内容や働くうえでのポイントを知っておくことが大切です。
今回は、高速道路警備員のおもな仕事内容や働くメリット、事前に知っておきたいポイントについて紹介します。併せて、高速道路警備員に向いている人の特徴やスケジュール例、警備会社の選び方なども解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
※建築・土木等に関する交通誘導はSPD株式会社では取り扱っておりません。
目次
そもそも高速道路警備員は、交通インフラのなかでも重要な高速道路の工事に際して、車両の誘導・監視の役割を担う仕事です。
ここでは、高速道路警備員のおもな仕事内容について見ていきましょう。
高速道路警備員には、工事に取りかかる前準備として、高速道路上に規制用資器材を設置する仕事があります。例を挙げると、「500m先工事中」「200m先工事中」などと記載された標識の設置や、矢印が書かれた看板の設置です。
業務開始前には、安全に作業できるように入念な打ち合わせも実施するため、一定のコミュニケーション能力が必要です。工事が終わり次第、標識などを残らず撤去します。
高速道路の交通規制中に、監視あるいは車両での巡回を実施することも高速道路警備員の仕事です。監視の具体例として、規制用資器材が適切に設置されているかをチェックすることが挙げられます。
万一、資器材の配置が乱れているような場合は、ただちに設置し直さなければなりません。
車両誘導の業務は、通行止めしている場合と通行止めしていない場合で、やや内容が変わります。以下では、それぞれのケースでの仕事内容を確認しましょう。
高速道路の一定区間を通行止めにした場合は、トラックなどの工事車両の誘導がおもな仕事です。一般車両は迂回路を走行するので、交通誘導は不要です。とはいえ、工事車両は頻繁に出入りするため、工事区間全体の安全に配慮しなければなりません。
例えば、現場の状況に合わせてバック駐車をさせたり、適切な位置で止めさせたりする必要があります。工事車両を誘導する際は、車両の停止・進行・徐行などの合図をしっかりとマスターし、運転手とアイコンタクトを取りながら連携して行なうことが重要です。
高速道路を通行止めにせず、幅員を一部減少させて工事を行なうケースも少なくありません。その場合、前述の工事車両の誘導に加えて、一般車両への注意喚起や車線変更誘導などの業務が発生します。
日中は手旗や大旗を使って、また夜間は誘導灯を使って交通誘導を行ないます。
なお、車両誘導における基本の誘導やケース別の誘導方法について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
車両誘導マニュアル 基本の誘導やケース別の誘導方法などをまとめて解説
高速道路は、物流や観光などのため人々が移動に使う重要なインフラです。高速道路警備員の仕事は、このインフラを守ることにもつながるので、社会貢献ができることに仕事のやりがいを持てるというメリットがあります。
また、高速道路警備員が夜勤で働く場合、時間帯によっては深夜手当が上乗せされるため、収入を伸ばせることもメリットです。深夜手当は午後10時から午前5時までに労働した際に受け取れる割増賃金で、通常の労働時間賃金の25%増しとなります。
さらに、普段は立ち入ることのできない高速道路という特殊な場所で働けるため、人とは違う仕事をしているという実感も得られやすいでしょう。
ときに、高速道路警備員の仕事がきついといわれることもあります。ここでは、実際に働く前に知っておきたいポイントを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
高速道路警備員には、工事車両の誘導や一般車両の交通誘導など、常に高い集中力を求められる業務が少なくありません。
高速自動車国道の本線車道では、普通乗用車の制限速度が最高100km/hと規定されています。一般に、交通事故の衝撃力は速度と重量に比例して大きくなるため、もしも誘導を誤ると大きな事故につながる危険性もあります。したがって、高速道路警備員に課される責任は大きいといえるでしょう。
大雨や台風などの悪天候時は、仕事が休みになる可能性があることにも留意が必要です。例えば、給与形態が日給制のアルバイトとして警備業務に従事している場合、出勤日が1日減ると、その分収入も減ってしまいます。
場合によっては、雨天時でも警備業務に従事できる「施設警備員」として働くことを検討してみてもよいでしょう。施設警備員なら、原則的に屋内での警備業務にあたるため、天候に出勤日数が左右されづらいことから、収入の安定性を確保しやすくなります。
施設警備の概要や、向いている人の特徴について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
施設警備員に向いている人の特徴とは?仕事内容や働くためのポイントも解説
高速道路警備員として警備しているエリアによっては、近くにトイレがないため、しばらく我慢しなければならないというケースもあります。
トイレカーを導入している警備会社もありますが、数キロほど離れた場所に設置されている場合、やはりすぐには用を足せません。担当している警備業務によっては、自身のトイレ休憩を確保するために、ほかの高速道路警備員に早めに交代をお願いするなどの対応が必要です。
高速道路警備員は夏の暑いときも、冬の寒いときも、外で働かなければならない仕事です。例えば、真夏のアスファルトは温度が50~60度になるケースもあるため、常に足元が暑い状態にさらされてしまいます。
自身の適性によっては過酷な仕事になり得るため、健康状態なども踏まえて働くことを検討したほうがよいでしょう。とはいえ、近年は暑さ対策としてファンが搭載された警備服も普及しつつあるなど、以前よりも働きやすい環境へと整備されています。
高速道路警備員として働くうえで、有資格者である必要はありません。ただし、警備関連の資格を取得することで、携われる業務の幅が広がったり、自身のキャリアアップにつながったりするといったメリットはあります。
また、高速道路の交通誘導警備業務を行なう際は、現場ごとに1人以上の有資格者を配置しなければならず、その点からも資格を取得する意義はあるでしょう。対象となる資格は、交通誘導警備業務の1級、または2級です。
高速道路警備員が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
高速道路警備員は基本的に立ち仕事であり、季節を問わず外で働くため、体力にある程度の自信がある人が向いているといえます。
また、高速道路上で走行する自動車の交通誘導や、安全確保のための業務に取り組むので、集中力を持続しながら働ける人も向いているでしょう。加えて、安全や人命にかかわる仕事であることから、責任感を持って業務を遂行できる資質も求められます。
ここでは、高速道路警備員として働く際の1日のスケジュール例を見ていきましょう。
時間 | 概要 |
8時 | 制服を着用して集合場所に到着 |
9時 | 現場に到着し、規制用資器材の設置や監視などの仕事を始める |
12時 | 休憩を取る |
13時 | 警備業務を再開する |
16時 | 資器材の撤去など後片付けを行ない、集合場所に戻る |
17時 | 翌日の準備をして業務終了 |
上表のとおり、高速道路警備員として働く際は、適度な休憩を挟みつつ、高速道路の現場で警備を行ないます。なお、担当する現場によっては深夜帯に警備業務にあたるケースもあるので、上記はあくまで一例です。
ここからは、高速道路警備員で働きたい方向けに、警備会社の選び方のポイントを3つ解説します。
ワークライフバランスの取れた働き方を実現しやすい環境であるかを確認することが重要です。具体的には、一般的な年間休日があるか、有給休暇が取得しやすいかなどのポイントで、警備会社の求人をチェックするとよいでしょう。
休みが取りやすい職場なら、仕事とプライベートのバランスをとりながら働くことも容易です。
警備員として働く際の給与形態は、以下のように大きく3つに分かれます。
例えば、かけ持ちのアルバイトなどで働く場合、日給制や時給制の求人を選ぶことで自身が働いた分だけ多くの収入を得られるでしょう。高速道路警備員の給与形態は複数あるため、自身に合った働き方を選べます。
資格取得支援制度や寮などの福利厚生が充実しているかということも重要なポイントです。特に、資格取得支援制度が設けられている警備会社なら、資格取得による資格手当が見込まれるほか、自身のキャリアアップにもつなげやすくなります。
また、寮が完備されている場合は家賃の負担を抑えやすく、貯金なども効率的に行なえるでしょう。
高速道路警備員は、高速道路上における交通誘導や、規制用資器材の設置・撤去などを行なう責任ある仕事です。インフラを守ることにつながるというやりがいがある一方、常に集中力を保つ必要があることや、悪天候時は仕事が休みになることも念頭に置いておきましょう。
また、高速道路警備員として働ける警備会社を選ぶ際は、「ワークライフバランスの取れた働き方ができるか」「福利厚生が充実しているか」といったポイントを押さえておくことが大切です。
なお、一口に警備員といっても、施設警備員などの種類もあります。そのため、ほかの警備員の仕事内容について調べたうえで、高速道路警備員を目指すかどうかを検討するのもおすすめです。
※建築・土木等に関する交通誘導はSPD株式会社では取り扱っておりません。
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