駐車場には誘導員を配置すべき?誘導員の役割と配置方法を解…
工事現場の出入り口などでは、旗や誘導灯などを持った警備員が車を誘導しています。彼らはどのような業務をしているのでしょうか。また、警備員は絶対に必要なのでしょうか。
工事現場の警備を依頼する前に、警備員の概要や配置する理由を知りたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、工事現場における警備員の概要を紹介したうえで、警備員が必要な理由やおもな業務内容、警備会社に依頼する際の注意点なども解説します。
目次
工事現場で働く警備員とは、警備業法における「2号業務」に従事する警備員のことをさします。
「2号業務」の業務区分は2つあり、その1つが工事現場や建設現場、あるいは大型商業施設などの駐車場で、車両と歩行者を誘導する「交通誘導警備」と呼ばれるものです。
警備員が工事現場の出入り口や敷地内で、車両・歩行者を適切に誘導することで安全な施工が可能となります。
2号業務のもう1つの区分は、イベントやお祭りなどの会場で将棋倒しなどの事故が起こらないように人を安全に誘導する「雑踏警備」です。
警備の業務内容は警備業法という法律によって4つに分けられています。この記事で解説する2号業務以外にも下記のような警備業務があります。
それぞれの業務内容を簡単に紹介します。
関連記事:「【企業担当者向け】警備業務の種類を知ったうえで依頼しよう」
ほとんどの工事現場では警備員が交通誘導をしています。工事現場に警備員を配置するのはなぜなのか、配置が必要な理由について紹介します。
そもそも道路交通法77条第1個に当てはまる工事を行なう場合は、管轄の警察署に「道路使用許可」を取ることが必須となっています。
これは道路上での工事や作業をする場合だけでなく、道路に石碑、広告板などを設けるケースも該当します。
道路交通法では警備員の配置については定められていませんが、道路使用許可を取った場合、自治体の条例によっては警備員の配置が義務づけられているため、従う必要があります。
参考:G-gov法令検索「道路交通法」
参考:警視庁「道路使用許可の概要、申請手続き等」
工事現場には重機や大型車両が出入りすることが多いため、周辺住民の安全を確保するためにも、車両・歩行者を適切に誘導する警備員が必要となります。
特に工事現場が通学路に面している場合などは、通学する生徒・児童を安全に誘導し、子どもたちが誤って敷地内に入り込むことを防止することも重要です。
万一、工事現場に出入りする車両と近隣住民が接触すると、大きなトラブルに発展するおそれがあります。
実際に接触事故などが起こらなかったとしても、警備員を配置することでトラブルの防止に役立ちます。
また、警備員が周辺住民への挨拶など適切なコミュニケーションを取ることで、クレームなどを言われづらくなるという効果もあります。
工事現場の作業員はこうしたクレームへ対処している余裕がないため、警備員が周辺の住民への説明を行なう必要があるのです。
工事現場の警備員はどのような業務を行なっているのでしょうか。
工事現場の警備員はドライバーの任意の協力のもと「交通誘導」の業務が可能です。ただし、これは道路交通法に基づいて警察官が実施する「交通整理」とは別物である点には留意しましょう。
以下では、交通誘導の依頼を検討している企業担当者の方向けに、交通誘導のおもな業務を紹介します。
関連記事:「交通誘導の無視は違反行為?交通整理との違いや警備員として働く際の注意点も解説」
道路上などの工事によって道路幅が狭まり、車両同士のすれ違いができないときに、片側で交互に通行できるように交通誘導を行ないます。信号機による誘導、もしくは誘導灯や手旗を使った警備員による誘導が実施されます。
警備員が実施する場合は、交通量の把握や作業員への配慮などにも注意を払う必要があります。
工事現場によっては、道路を封鎖して通行止めにしなければならないことがあります。
その場合は通行止めの看板を設置したうえで、一般車両に対する状況説明や迂回路の説明などを実施します。
警備員には車両を正しく誘導する技術や、通行止めの説明のためのコミュニケーション能力が不可欠です。
道路工事によって道幅が狭まった場合は、一般車両が普通の速度で通行すると危険なため徐行してもらう必要があります。
警備員は遠くからでも見えるように大きな手振りで合図を出し、徐行の指示を出します。
歩行者を優先するのが基本なため、一般車両や工事車両にいったん停まるように誘導するケースもあります。
複数の車線がある道路で工事を行なう際、走行してきた車両に対して車線変更を促すのが幅寄せです。
遠くからでも視認しやすいように、警備員は大きな動作で合図を出す必要があります。
工事現場になぜ警備員を配置すべきなのか、工事現場における警備員の業務内容について解説しました。
ここでは、工事現場の警備を依頼したいとお考えの担当者の方に、依頼時の注意点を解説します。
道路工事の条件によっては、有資格者の警備員を配置しなければならないことがあるので注意が必要です。
都道府県公安委員会が必要とする「検定試験資格者配置路線」では、交通誘導警備業務検定の1級もしくは2級の有資格者の配置が義務づけられています。
そのため、有資格者が多く所属している警備会社なのかを確認しておくと安心です。
また、警備会社の実績や教育内容も確認しておくことで、有能な警備員に依頼できる可能性が高まります。
警備員は警備会社に所属する従業員であるため、警備会社と取り交わした契約内容から外れた仕事を警備員に依頼すると、契約違反になるため注意しましょう。
警備員は、あくまで警備会社からの指示によって業務に従事しています。当初の契約内容と異なる警備業務も依頼したいという場合は、まず警備会社へ相談する必要があります。
警備を依頼したい場合、1つの警備会社のみに見積もりを依頼するのではなく、複数の警備会社から見積もりを取って比較することで、自社の予算に適した会社を選びやすくなります。
ただし、相場よりも極端に安い警備料金を提示した会社を選ぶとトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
悪質なものでは、当日になって「警備員を確保できなかった」と言われるような事案もあるため気を付けなければなりません。
「警備会社の料金相場は?料金の変動要因や警備会社の選び方も解説」の記事では、警備を依頼する際の相場などを解説しているので参考にしてください。
工事現場の出入り口などで交通誘導をする警備員の必要性や、工事現場における警備員のおもな業務内容、警備を依頼する際の注意点などを解説しました。
工事現場には、大型の車両や重機などが出入りするため大変危険です。また、近隣住民とのコミュニケーションを取ることでトラブルの発生を防止する必要もあります。 車両や歩行者の安全を守り工事を円滑に進めるためにも、工事現場の警備員の役割は非常に重要といえます。
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